『テニスの王子様』アニメと原作のストーリーが全然ちがう!
15年前、『テニスの王子様』に影響されテニスを始めたジロギンです。
アニメをきっかけで『テニスの王子様』を知り、アニメにもテニスにも熱中しました。
青春を『テニスの王子様』に影響されながら生きてきた90年代生まれたちにとって、思い出をもう一度味わえるチャンスとなるでしょう!
『テニプリ』はアニメと原作でストーリーが全然違う!
と思うかもしれません。基本的にマンガ原作のアニメは、原作通りにストーリーが進みます。
アニメオリジナル回があっても、本筋となるストーリーは変わらないはず。
しかし、『テニプリ』という作品においてはこの常識が通じません。
アニメと原作で、ストーリーもキャラ設定もぜんぜん違うのです!
原作を知っていてもアニメではぜんぜん違うストーリーが楽しめます!
では、見たことない方への過度なネタバレにならない程度に『テニスの王子様』のアニメと原作との違いについて紹介していきましょう。
特に関東大会編以降は、ストーリーが大きく異なります。
手塚が九州ではなくドイツへ治療に行く
関東大会1回戦。青学の対戦相手は、過去にリョーマや桃城と因縁のある跡部景吾が率いる氷帝学園。
2勝2敗と互角の勝負が続くなか行われたシングルス1は、手塚と跡部の部長対決に。全国トップクラスの2人の試合は2時間以上に及び、作中通しても名勝負と語り継がれる一戦です。
この勝負の結果、手塚は跡部の策略にはまり肩を負傷。このままテニスをすれば選手生命が終わってしまう可能性もあることから、長期の治療に移ります。
原作だと、手塚は九州にある医療施設で肩の治療とリハビリを受けることになるのですが、アニメだとドイツに行きます。
氷帝の監督、榊先生から竜崎先生にドイツの医療施設を勧められ、手塚はそこに行くことを決心。九州とドイツ・・・めちゃくちゃ違いますよね。
おそらく榊先生的に、部員である跡部が手塚を負傷させた罪悪感からの提案だったのかもしれませんね。
原作だとかなり冷徹な榊先生ですが、アニメだと人間らしさ(?)が補われるストーリーもあるのです。
リョーマはドイツ語もしゃべれる!
関東大会で優勝した青学レギュラーたちは、手塚への報告とお見舞いを兼ねてドイツへと向かいます。
ドイツに到着後、ひょんなことからリョーマと手塚のトレーナーを務める元プロテニスプレーヤーのハンナが勝負をすることに。
試合が終わると、リョーマがドイツ語も話せることが明らかになります。
リョーマくん、英語だけでなくドイツ語もできたのね・・・
イケメンで、テニスも上手で、外国語も話せて・・・ハイスペックすぎぃ!
しかし、アニメオリジナルの「青学レギュラーがビリヤードをする話」では、リョーマがビリヤードを超苦手としていることが判明します。
・・・でもそんなにマイナス要素にならないんだよなぁ・・・
むしろ、完璧なリョーマにも弱点があることに可愛らしさすら感じるんだよなぁ・・・
関東大会2回戦は緑山中ではなく城西湘南中
これは原作とアニメの全く異なる点です。
関東大会2回戦の青学の対戦校は、原作だと緑山中です。青学メンバーが完勝してしまうので印象に残りにくい学校ですが、一応全国大会まで進出しています。
アニメだと、2回戦の対戦校が原作だと緑山中に敗退している「城西湘南中」という学校です。
城西湘南中は「華村」という若い女性監督のもと、あらゆるデータをもとに訓練されたメンバーを選抜。華村は部員たちのことを「作品」と呼び、まるで実験施設のようなコートで練習させているのです。
緑山中と同様、城西湘南中の面々も基本的に青学のことをバカにしています。(昨年全国まで進出している氷帝を倒した青学をなぜバカにできるのか・・・?)。
ですので城西湘南との試合は、青学メンバーが勝つとめっちゃスカッとします!城西湘南のメンバーも、根は悪い子たちではないんですけどね。
城西湘南との試合の中でおすすめは、シングルス3の「海堂VS若人」です。
試合前に海堂のことを「自分のショットにスネイクとかいうダサい名前をつけている選手」とバカにしていた若人。
そのことを知り怒りを隠せない海堂ですが、若人のプロテニスプレーヤーのスタイルを完コピする「プリテンダー戦法」に大苦戦します。
この試合は結末も含めて、個人的におすすめな一戦です。
越前リョーマVS葵剣太郎
関東大会準決勝。青学の対戦校は千葉県代表の「六角中」です。
六角メンバーは顧問の「おじい」が作るウッドラケットを使い、小さい頃から遊びながらテニスを覚えてきた仲良しチーム(必殺技を持っているメンバーがほぼおらず、まだちゃんとテニスをしていたチームでもあります)。
これは原作もアニメも同じですが、シングルス3の試合が違います。
原作だと青学は海堂、六角は1年生部長の葵剣太郎との試合になるのですが、アニメだとリョーマと剣太郎の試合になります。
両校が誇るスーパールーキー対決になるわけですね。
剣太郎もそうなのですが、原作だとリョーマは「こいつはリョーマとライバルになるんだろうな」というキャラとの公式戦をほぼ避けています。
▶リョーマと同じ1本足スプリットステップを使える立海の切原赤也
→草試合でリョーマが勝利して以来、公式戦での試合はナシ
▶青学でリョーマにボールをぶつけられた山吹の千石清澄
→リョーマは亜久津との因縁があって千石どころではなかった
▶六角のスーパールーキー・葵剣太郎
→剣太郎はリョーマと戦いたがっていたが、海堂と戦うことに
▶西のスーパールーキー・金ちゃん
→リョーマと金ちゃんまで試合が回らず、1球勝負をしただけ
リョーマのライバルポジションで、全国大会までに戦ったキャラっていうと、氷帝の跡部と山吹中の亜久津くらいでしょうかね。
リョーマも「こいつと戦いたい」と思わなければ、公式戦で戦えないみたいですね。
原作だとこんな感じなのですが、アニメだとリョーマVS剣太郎の勝負は描いてくれます。
青学VS氷帝の練習試合
関東大会決勝を前に、山ごもりの合宿を始めた青学レギュラーたち。
厳しい練習を切り抜けた青学レギュラーたちは、最後に宿敵である氷帝との練習試合に挑みます。
この話自体、完全にアニメオリジナルです。対戦するメンバーもオリジナル。
菊丸VS樺地
乾VS日吉
大石VS宍戸
不二VS忍足
桃城VS向日
河村VS鳳
海堂VSジロー
リョーマVS跡部
リョーマと跡部は全国大会で戦うものの、他の対戦カードはゲームでしか見られないものですね!
各メンバーの成長が見られる、面白いアニオリ回です。
個人的に面白いのは「菊丸VS樺地」の一戦です。
相手の技をなんでも真似てしまう樺地。樺地は猫のように柔軟でコート内を飛び回る菊丸のアクロバティックプレーを真似できるのか・・・?(ヒント:この話のタイトルは『翔べ!樺地』です)
立海大メンバーの設定や技が全然違う!
『テニスの王子様』は、原作よりもアニメの方が先に進んでしまった珍しい作品です。
関東大会決勝からは、原作と全く設定が違います。
特に違いがあるのは立海大付属中の一部メンバーと試合内容です。
▶ダブルス1:桃城・海堂VS丸井・ジャッカル
→試合前に海堂と桃城は、川で溺れた犬を助け体力を使いまくっているけど接戦に。ブン太がケーキを食べるのは、試合に使ううエネルギーを補給するため。ジャッカルが坊主なのはブラジルでテニスを教えてくれたコーチの影響
▶ダブルス2:菊丸・大石VS仁王・柳生
→菊丸と大石が大事な局面で大げんかを始める。そして仁王は「人のクセや素質を見抜く天才」で、ゴルフ部にいた柳生の才能を見抜いてテニス部に勧誘。柳生の必殺技は「レーザービーム」ではなく「ゴルフ打ち」
▶シングルス3:乾VS柳
→ほとんど原作と同じ
▶シングルス2:不二VS切原
→不二の目が一時的に見えなくなるアクシンデントは起きないが、赤也にマジギレして強くなる。赤也は「無我の境地」にならない
▶シングルス3:真田VSリョーマ
→立海メンバーは真田以外、部長・幸村のお見舞いに行ってしまう。真田の必殺技に名前なし
試合の順番や出場するメンバーは変わりないのですが、原作と試合内容がかなり違います。
原作を知っていても、「もう1つの関東大会決勝」として楽しめます。
「関東大会編」の後は「ジュニア選抜編」へ
原作では関東大会が終わった後に「全国大会編」に突入します。
しかし、アニメで関東大会が終わった時点で、原作では全国大会編を描いていませんでした。
そのため、アニメでは完全オリジナルストーリーとなる「ジュニア選抜編」に。
過去に青学と戦ってきたライバル校から代表選手が選ばれ、合同合宿をすることになります。
最終的に、ジュニア選抜で集まったメンバーの中からさらに精鋭を決めて、「アメリカ代表チーム」との対決。
リョーマに恨みを抱き、戦いたがっている少年・ケビンなどアメリカのジュニアプレーヤー達との激闘を繰り広げることになるのです。
ここからは完全アニオリ回なので、原作無視のとんでもないストーリーがみられます。
『テニプリ』は原作だけでなく、アニメ後半もなかなかぶっ飛んでいるのです。
個人的に一番ぶっ飛んでるなと感じたのは、山吹中の千石清澄さんがテニスの上達を目指して、ボクシングを始めたことです。
何を言っているのかわからないかもしれませんが、テニス上達のためにボクシングを始めてしまうのです。
結果、千石さんは「動体視力や筋力の向上」「1ゲームを3分(ボクシングの1ラウンドと同じ時間)で終わらせるクセがつく」という謎の能力を身につけ、アメリカチームと戦うメンバーに選ばれます。
原作とはまた違った方面でぶっ飛んだ展開が見れるのは、アニメだけ!
手塚VS不二の勝負が熱い!
私が一番オススメしたいエピソードは、アニメ終盤の「手塚VS不二」の戦いです。
ジュニア選抜終了後、青学では全国大会に出場するメンバーを決める校内ランキング戦を行います。
そこで、青学最強と言われてきた手塚と、青学No.2の天才・不二が始めて本気で戦うのです。
原作だと、手塚のプレースタイルをコピーした仁王と不二が戦いましたが、本物の手塚と不二の戦いはありませんでした。
手塚と不二のどっちが強いのかは「新テニスの王子様」までわからずじまいだったんですよね。
原作ファン待望の一戦は、アニメだとしっかり3話に渡って描かれています。
このエピソードは、手塚ではなく不二の成長エピソードです。アニメでも原作でも、関東大会で赤也と戦うまでほとんど苦戦したことのなかった不二。
底知れぬ強さを見せてきた不二でしたが、彼自身は「勝敗に執着できない」という悩みを抱えていました。
本当はもっと強いのに、自分自身の性格がその才能を押し込めてしまっていたのです。
原作での不二の全力は、全国大会準決勝の四天宝寺中・白石との一戦で垣間見ることに。追い詰められたことをきっかけに、試合への執着心を発揮するのです。
アニメだと、このきっかけとなるのが手塚と不二との戦いです。不二は手塚との戦いで、ついに本気を出します(ちなみにこのエピソードは、アニメの最終回間近です。不二先輩、もっと早く本気出してくれても・・・)。
でもこのエピソード、めちゃくちゃ感動するのでぜひ見て欲しい!
不二ファンでも手塚ファンでなくとも感動する一戦ですよ!
南次郎が試合を見に来てくれる
アニオリ・・・と呼ぶほどのものではないのですが、見逃せない点があります。
それは、リョーマの父・南次郎が大会の決勝戦になるとリョーマの試合を見に来てくれることです。
都大会と関東大会決勝に来てくれます。
原作だと南次郎は、全国大会決勝に来てくれるものの、基本リョーマの大会結果には無関心。
成長を期待してはいるものの、月刊プロテニスの井上さんから結果を聞くことばかりでした(ちなみに原作での井上さんと芝さんは、地区大会から取材してきて青学の全国大会の試合には全く姿を見せないという暴挙に)。
アニメだと、リョーマに冷たく接しているように見えてちゃんとお父さんをやっている南次郎。
この点も、本当の中学生のお父さんを描いているようで、良いポイントだなと感じました。
実際もっと違うポイントはあるのですが、全部ピックアップしたら長くなりすぎてしまうので、ここまでにしておきます。
全然違うので、原作しか知らない人や、昔アニメを見ていたけど忘れてしまった人には超オススメです!(私は休日、8時間くらいぶっ通しで見ちゃいました)
『テニプリ』はアニオリ回も面白い!
という意見も多いです。で、実際に他の作品を見るとその通りな事も多いんですよね。
でも『テニプリ』のアニオリ(アニメオリジナル)回はめちゃくちゃ面白いです。
特に面白いのが、青学メンバーの練習以外のストーリーです。
原作だと、青学メンバーの私生活ってあまり描かれていないんですよね(描かれても数コマくらい)。
アニメだと、1話使ってリョーマと桜乃のデートシーンを描いたり、リョーマと桃城がハンバーガーを食べに行くシーンを描いたりと、原作でなかった部分を補完してくれています。
ファンが想像で補っていた部分までアニメは描いてくれているので、原作しか知らないのはもったいないです!
しかも、『テニプリ』は作者の許斐剛先生がアニメスタッフ(声優さんなど)と仲がいいこともあり、アニメの設定を原作に活用している部分もあります。
アニオリ要素も一部は「正史」になっているんですよね。
原作ファンこそむしろ「もう1つのテニスの王子様」としてアニメを見てほしい!絶対に見てください!
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